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それいゆコラム
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第3回 きらめく人々
街のシンボルの小便小僧。ビールを頭にかけながらお勉強。(本当は智恵の水らしいけれど、皆ビールだと思っている)
9月末になり、新学期が始まった。ここLeuvenはオックスフォードやケンブリッジのような大学の街。街全体がまるでひとつの大学のようで、ヨーロッパ各地のみならずアジアなど多方面から学生が集まってくる。新学期が始まり、バカンスを終えた学生達が一斉に街に戻ってきて、まるで街の人口が2倍になってしまったようだ。
学生の街中の移動はバスと自転車。Leuvenでは、「人優先」が徹底していて、道を渡ろうとすると、車は止まって歩行者を横断させてくれる。公共バスでさえ止まって、道をゆずってくれるのだ。街中は通学の自転車であふれかえっているので、かえって車より自転車にひかれないように注意しないといけない。
大学のみならず、語学学校も9月末から開講しはじめた。私の通う学校はオランダ語、フランス語、英語、ドイツ語などのほか、アラビア語や日本語などの13講座を開講している。驚くのがその学費の安さ。1回あたり2時間、週2回の講座の1年間の学費は1講座につき約85ユーロ(約12,500円)。月間の学費ではない。年間の学費なのだ。しかも、英語のクラスでいえば、400ページにも及ぶオリジナルテキスト代や、インターネットを使っての自習教材費なども、この費用の中に含まれる。そのうえ、社会的に収入の少ない人は、外国人でさえも政府からの保護を受けることができ、学費が免除になることさえある。ベルギーでは母国語とされる言語が、オランダ語、フランス語、そしてドイツ語と3ヶ国語もあることから、語学習得に対しての手厚い保護があるのかもしれない。
移動は自転車で。

学校に通いはじめたのも、英語を勉強したいというポジティブな理由ももちろんあるけれど、本音をいえば、「海外に行っていたのなら英語はもうだいじょうぶですよね」と日本に帰ったら言われてしまうのが怖いということもある。日本にいるときは、「海外に行きさえすれば、自然と英語は身につくもの」と思っていたし、「日本にいるんじゃ英語を身につけるのなんて無理よね」などと言っていたけれど、海外にきたらかといって、自然に英語が身につくわけではないのだと、今さらながら気がついた。

クラス分けのテストを受け、週2回昼間の午後のクラスを受講することになった。クラスの生徒は35人ほど。現地のベルギー人の他、イタリア、スペイン、リトアニア、中国、ベトナム、イラン、ポルトガルなどさまざまな国籍、年代の人間が集まっている。

30代半ばで学生なんて浮いてしまわないかしらとちょっと心配していたけれど、そんな心配は全く必要なかった。「学生」というと日本では10代〜20代の若い人を思い浮かべるけれど、私のクラスでは、10代〜20代の学生は半分しかいない。あとは仕事をリタイアした60代の学生が7名ほど、30代〜50代の生徒が10名ほどだろうか。

語学学校の外観とクラスメイト。

 

これは生ハムとチーズとトマトのサンドイッチ。

10代〜60代すべての世代の生徒がクラスでは肩を並べ、ファーストネームで呼び合う。仕事をリタイアしているのだから、もう英語を勉強する必要なんてないのではと思ってしまうけれど、かえって60代の学生のほうが熱心で、そのエネルギーには圧倒されてしまう。それに私からみれば、みんな英語はペラペラ。もうこれ以上勉強する必要ないのではと思えるほど、英語で自由にコミュニケーションをとっている。
いつもとてもにこやかで、クラスで一番おしゃれな最年長マダムのイルマに、「英語は今でも十分できるのだから、もう勉強する必要なんてないんじゃないの?」と聞いてみたところ、「そんなことないのよ。娘がこのまえイギリス人のお友達を連れてきたのだけれど、娘に通訳してもらってばかりいたわ。もっと勉強しなくちゃ!」と、とてもにこやかに話してくれた。なんて素晴らしく熱意にあふれているんだろう!彼女の穏やかな笑顔を見ながら、なんだかじ〜んとしてしまった。
20代で母国を離れ、遠い外国へ語学の習得に来ている学生達。二人の子供を預けてクラスに参加している40代のママさん学生。リタイアしてからもさらに自分を磨く60代の学生達。誰もがきらきらと輝いている。
彼らを見ていて強く思ったのが、夢見る力を持てる人というのは、自分自身を信じる力を持つ人達だということ。

お昼の定番はサンドイッチ。30センチ程のバケットに好きな具をはさんでくれる。

「自分は夢をかなえることができる」と、自分で自分自身のことをきちんと信じてあげられるからこそ、未来に夢を持ち、行動に移すことができるのだ。
- きらめく人達は、自分を信じてきちんと慈しんであげられる人達-
彼らの姿は私にそんなことを教えてくれた。
「英語はもうダメ〜」といつも投げ出してしまいたくなるけれど、もうちょっとだけ自分を信じて、私もがんばろう…!

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