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それいゆコラム
コラム 小原誉子氏 「私好みの和み宿」
第1回 第2回 第3回        

第1回 ふと出掛けたくなる気軽さ…

女性に嬉しい充実した温泉スパの宿

ホテルはつはな

 はじめまして!今月から宿にまつわるお話をさせていただく小原誉子です。雑誌などの仕事で日本中の宿に泊ることが何よりの楽しみ。その数は、もうどれほどになったでしょう。ほぼ全県を網羅致しました。もちろん豪華な宿から小さな山小屋のような宿など、泊まった宿のスタイルは多種多様です。時には「今回はハズレ!」(もちろん取材中は顔にも出しません。でも内心2度と来るまい!と思うのですけれど…)。また「この宿は良かった!プライベートでも来よう!」と感激する宿など、本当にいろいろです。実際、行ってみなければわからない…というのが、正直なところ。同じ価格帯でも、当たりハズレの差が出やすいのが、ホテルと違う宿らしい特徴。本当にここが、選ぶのに悩むところ…貴重な時間と大切なお金…決して無駄にしたくありません。そこで、宿選びの参考になればと思い、実際に私が宿泊し、また訪れたいと思う宿をコラムにてご紹介します。

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美人の湯といわれる源泉掛け流しの温泉に浸りきる…

女性専用スパ「やまざくら」の寝湯。目の前に広がる山を眺めながら、まどろむ気持ちよさ。ゆるめの湯なので、ゆっくり体の芯から温まります。 敷地内の源泉の湯は単純泉。掛け流しの湯は、高温のため加水により調整も。風情ある桶の湯ぶねでは、いつでも心地よい湯加減の湯が楽しめます。

まず、第1回は、「疲れた…」と感じ、ふと温泉が恋しくなると訪れる宿〈ホテルはつはな〉をご紹介します。この宿は、箱根湯本に程近く、電車や車での便もよく、都内からは、車で2時間以内で到着。「山のホテル」「箱根ハイランドホテル」などをもつ小田急ホテルズ アンド リゾーツに属する和風ホテルで、ホテルという名前が付いていますが、2食付の旅館システムです。ここの魅力は、「気軽さ・気取りのなさ」。超高級旅館のように「行くぞ!」と気合も緊張もいりません。建物は、木造の趣のある佇まいではなく、鉄筋コンクリートの建物ですが、硬さがない、やわらかな印象を受けます。清々しく、広々としているため、友人や家族と行くのにぴったり。バーなど、パブリックスペースもあります。
ここを訪れる最大の楽しみは、温泉とスパトリートメント。露天風呂、ジャグジー、サウナ付きの男女別の大浴場のほかに、大きな桶の湯ぶね、岩風呂、寝湯などが揃った女性専用スパ「やまざくら」があるのがいいんです。スパ内を、恥じらいもなく堂々と裸で移動して、あちこちの湯ぶねに入る開放感は格別。特に大きな桶の湯ぶねは、いつ入っても本当に気持ちよく、目の前には竹林が広がり、さやさやと聞こえる竹の葉の音と掛け流しの温泉の湯が、疲れをリセットしてくれます。なんでも敷地内から引かれた源泉の湯は、ミネラルを多く含み美人の湯との別名があるそう。心なしか肌がスベスベするような気もします。シャワーの出具合も上々。ドライヤーの機能も充分。自由に使えるタオルも棚に積まれています。洗面所での使い勝手のよさも好感が持てます。

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温泉とボディトリートメントのダブル効果でいっそう美肌に

湯上りに寛げる女性専用スパ「やまざくら」内のリラクゼーションスペースは、この宿で私が大好きな場所のひとつ。テラスのような開放感がたまりませんね。
セラピストのひとり鈴木久美子さん。ツボを押さえたマッサージに、うっとり。営業時間は15時から23時まで。夕食後の時間帯は人気なので、早めの予約を。
個室のトリートメントルームは、それほど広くはありませんが、目を閉じている時間が長いので気になりません。セラピストさんとのおしゃべりはほどほどに。話し声で、他の人のリラックスタイムを邪魔しないように…そんな気配りも欲しいもの。
温泉宿で、今、人気なのが、ボディトリートメントです。料金は、都心部と変わりませんが、温泉とトリートメントのダブル効果、さらにトリートメントの後、すぐに自室で眠れる快適さは、温泉宿ならでは。ここ〈ホテルはつはな〉では、自家源泉を利用したスパローションによるボディトリートメントに、温泉ミネラルパックをおこなうミニフェイシャルをプラスしたプログラムが、新たに登場。ほどよい強さのハンドマッサージも満足できる技術でした。近年、東京やその地域の人気エステサロンの進出により、各温泉地でのセラピストの技術は向上しています。ここも東京の自由が丘のエステサロンがオペレーションを担当。リンパの流れを促進する東洋的な施術が特徴です。自分へのご褒美などやお母様へのプレゼントにもおすすめです。


 

 

 

 

 

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「ほどほど感」こそ、気軽に訪れる宿の条件

宿に何を期待するか?により、客室の見方も変わるもの。私は、ここでは「気軽さ」。シンプルな客室ですが、チープな感じがなく、おだやかな雰囲気が気に入っています。 新たに登場した客室は。ぐっとモダンに。ベッドの寝心地は良好。非日常な感覚が欲しい人には、おすすめ。今後は、このタイプの客室が増える予定とか…。
客室には、ちょっとした心遣いが…。浴衣はサイズ違いが2枚ずつ用意されています。 持ち帰りのできる足袋。これは、宿ではよく見られるサービスですね。 新しい客室のトイレにあるスリッパ。左右のあるフォルムは、履き心地の良さに感激。

さて、客室はというと…。この宿で私が好きな部屋は、2万円台で宿泊できるごくシンプルな和室タイプ。特別な豪華な調度品もなく、初めはあっさりしすぎる印象ですが、過ごすうちに何とも落着きます。特に友人や家族で寛ぐことを目的に滞在する場合は、凝った設えの客室は、人がいない状態なら美しく、広々見えても、実際、荷物を広げたり、着替えたりすると、とても散らかって見え、狭い感じするのが、私の経験上の感想です。
特に「はつはな」の和室の部屋での気持ちよさは、明るさと開放感。床から天井までの大きな窓に、まるで緑の屏風が広がっているように感じられます。緊張感を与えず、リラックスできるこの「ほどほど感」がいいんです。私の生活にない畳の部屋で、ゴロリと横になり、本を読みつつのうたた寝。目覚めて気が付く顔や腕に付いた畳の跡…なんとも懐かしい感じです。全47室の客室には、ベッドや露天風呂付きの部屋も近年加わり、多様なニーズに応えます。さらに、今年夏から一部和モダンの客室へとリニューアルされるそう。黒をアクセントにしたベッドスペースのある客室が登場します。

 

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ほどほどに…奇をてらわぬ懐石料理に舌鼓。

夕食の膳に登場する小さなお釜。一人分ずつを、なんと固形燃料で炊く優れもの。自宅にも欲しい逸品です。おこげもできる香ばしさ。まさに炊きたてが味わえ感激もしきり。 懐石料理の焼肴の「牛ロースの新牛蒡バルサミコソース」。柔らかい肉の味わいも豊かに。牛蒡の歯ごたえと風味がいいですね。ほかに近海の魚介類もいろいろ登場。献立は月替わりで。料理と温泉を楽しみに毎月訪れるリピーターも多いそう。

楽しみな料理は、関西出身の料理長が腕を振るう懐石料理です。毎月訪れる常連客の楽しみにする季節感あふれる料理が次々に食膳に並びます。竹岡料理長は、芦ノ湖にある「山のホテル」で活躍の後に、こちらに1年ほど前に着任されたそう。最近の宿の料理は、和食フュージョンという洋風なものを盛り込んだものも目立ちますが、ここでは特別奇をてらうものがなく、ほっとする料理が味わえます。器使いも客を圧倒するような派手さではなく、むしろ微笑がこぼれるような寛ぎ感が漂い、食事処のあちこちのテーブルから「わーキレイ!」との声もこぼれます。
箱根は、特産品のない地域。そのため沼津や小田原からの魚介類をはじめ、美味しい素材を地域にこだわりなく、全国から取り寄せるそう。「箱根らしさ…この宿らしさ…それを料理で表現することが、これからのテーマのひとつですね」という竹岡料理長。やさしい味付け、ほどよいボリューム…幅広い年齢層を満足させる料理です。八寸から煮物椀、お造り…など、次々に登場する料理をいただく間に、テーブルに置かれた1膳分ほどの小さな釜では、新潟産のコシヒカリが炊かれます。クツクツと炊かれるご飯の湯気がいっそう和みを作る夕餉です。

翌朝は、起き抜けに温泉へ直行。澄み切った山の空気の中、朝日を浴びながらの温泉の気持ちよさに、泊まってよかったという思いがつのります。平日ならひとりでも宿泊できるのも、私には嬉しいこと。ほぼバリアフリーの状態ですので、年輩の方も気兼ねなく…。お孫さんとおばあちゃまでしょうか、温泉を楽しそうに浸かる姿に、ほのぼのとした心地になりました。

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ホテルはつはな 箱根 奥湯本
神奈川県足柄下郡箱根町須雲川20の1
Tel: 0460−85−7321 
全47室、料金:2万9000円〜。
(2名1室ひとり、2食付)
IN15:00 OUT12:00
詳しくは:www.odakyu-hotel.co.jp/hatsuhana/



小田原方向から箱根新道に乗り、須雲川ICで降りればすぐ。6階建てですが、山の斜面にあるためロビーが最上階に。景観を損なわない設計です。
ランチだけの利用も可能。
この宿のおすすめのお土産は、朝食にも登場する自家製の「山椒ちりめん」(税込998円)。ご飯がすすむ一品です。
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【小原誉子 プロフィール】
東京出身。お茶の水女子大学卒業。株式会社サンリオ販売促進部、オーストラリア放送協会ラジオオーストラリア放送記者、テレビマンユニオンプロデューサーなどを経て、株式会社シーホーク ジャパンを設立。旅をコンセプトに、雑誌などの企画、編集、ライター、エッセイストなどで活躍。心地よい宿、ホテルなどを目指しアドバイスも。さらに外国旅行者のための日本ガイドなどを企画中。温泉をベースにした日本独自のリゾートのあり方を探る。
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