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それいゆコラム
コラム 小原誉子氏 「私好みの和み宿」
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第3回 ひとりで泊まる温泉宿

 どこか懐かしい田舎の風情をひとり楽しむ
 <きらの里> 伊豆高原
嬉しい!シングルルームのある温泉宿
敷地内には、水田や畑が実りの時を待っています。
敷地内には、水田や畑が実りの時を待っています。
 読者の方から、「ひとりでも泊まれる宿を知りたい」というお便りをいただきました。そこで今回は、シングルルームのある温泉宿をご紹介します。かつて旅館の多くは、女性のひとり客の宿泊を嫌う傾向がありました。「自殺するんじゃないか…」と思われていたのです。(女性は、そう簡単に死なないのにね…)また、ルームチャージが基本のホテルと違い、客ひとりずつの料金設定が旅館の基本。つまり1室にひとりで泊めるより、ふたり泊めれば2倍の金額が取れるわけです。しかも、満室に近い状態で、もしひとり客をOKして、その後に家族4人の予約が入ったら、収入はかなり少なめになってしまうので、宿としては、割りに合わない…それがひとり客を断る理由です。
しかし、時代は変わり、ひとり旅を楽しむ女性が急増。でも、今だ旅館には、よほど空室の多いときしかひとり客は、男女を問わず受け入れてもらえないのが実情です。そんな状況の中、登場したのが、シングルルームのある旅館です。これは実に画期的なこと。このシステムを積極的に採用しているのが、「共立メンテナンス」という会社が運営する宿です。今回訪れた伊豆高原のほか、箱根、飛騨高山など近年次々に新しい宿やリニューアルさせた宿をオープンさせています。なかでも、ここ伊豆高原の「きらの里」は、6600坪という広大な敷地に昨年誕生した自然あふれる宿です。

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田舎の雰囲気を満喫…童心に帰って過ごす
 伊豆高原の駅から車で5分ほど(時間によって送迎バスも利用できます)。海から離れた山の中に宿はあります。広大な敷地には、水車の掛かる小川が流れ、水田や畑も。訪れた夏には、キュウリやトマト、ナスが実っていました。ふと畑で動くものが…なんと小さなウサギ。畑の中を飛び回る姿は、まるでピーター・ラビットの日本版。夏休みの子供たちは、カブトムシを採ったり、小川で水遊びをしたり、都会では経験できない田舎が体験できます。大きな木に掛かるブランコ。風を切ってこげば、まるで子供時代に戻ったような心地に。大規模ではありませんが、ちょっと田舎を体験するには充分。
なだらかな稜線を描く大室山 キュウリなどの野菜 放し飼いになっているウサギ。
なだらかな稜線を描く大室山は、
伊豆高原のシンボルのひとつ。
畑には、キュウリなどの野菜が
スクスクと育っていました。
 放し飼いになっているウサギ。
まるでピーター・ラビットのようでした。

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海を眺めるシングルルームと8つの温泉風呂でリラックス
 緑の木々に包まれるように建つ田舎家風の建物。家族向けやカップル向きの棟の他に、食事処に隣接してひとり客用の個居「うみ蛍」があります。実は、ここだけが海を眺める部屋。客室の大きなチェアに座り、木々の梢越しに青い海を望みます。私の部屋のベッドは、たっぷりのダブルサイズ。カップルで利用している人もいました。部屋にはコーヒー豆とミルもあり、挽きたてのコーヒーが自由に味わえるのも嬉しいサービス。浴衣や作務衣、寝巻きも完備。部屋はシャワーだけですが、大浴場を利用するので、全く問題はありません。作務衣に着替えて、下駄履きでトコトコ歩き大浴場へ。敷地内の2本の源泉から引かれた湯が、内風呂「ひばの湯」、寝風呂「静かの湯」、源泉蒸し風呂「玉の湯」などを満たします。8種類の温泉風呂(一部循環湯)が楽しめる、まさに温泉三昧のひとときを。湯上りには、ヤクルトや牛乳のサービスもあり、そんなちょっとした心遣いが宿のポイントを上げるわけです。ほかに3種類の貸切風呂も。夏の湯上りは、小川の横でかき氷を頂きました。蝉時雨を浴びながらのかき氷…子供の頃の夏休みを思い出します。
「うみ蛍」 貸切風呂 大浴場
ひとり客が宿泊する「うみ蛍」の一室。 大きなチェアに掛け、海を眺める休日を。 貸切風呂は3つ。石をくりぬいた湯ぶねなど個性的な風呂を楽しみたいもの。  源泉掛け流しの湯ぶねがある大浴場。
広々した気持ちよい温泉です。

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宿に着いたら真っ先にエステの予約を!
いやし処「夢語」
いやし処「夢語」では、デトックス効果のあるトリートメントなどオリジナルメニューが揃っています。90分8000円〜とリーズナブルな価格も嬉しいこと。
 話が前後しますが、エステをするなら、滞在する個居「うみ蛍」の1階にある癒し処「夢語」に、宿到着早々に真っ先に予約をいれます。セラピストが少ないので予約がすぐにいっぱいに。
私が選んだのは、オジリナルメニューの中から全身とヘッドマッサージのトリートメント。90分8000円というのは、実にリーズナブルな料金。セラピストの方も上手で、大満足!温泉ですでに充分緩んだ体には、マッサージが染み渡り、気持ちよさも格別。心地よさを纏ったまま、自室のベッドでしばしお昼寝…。「アー天国!」と自分の幸せを実感します。
つまりまず、その宿でどのように過ごすかのスケジュールを立てることです。
いくら自由なひとり旅と言っても、夕食時間は決められていますので、その時間を軸に、自分がやりたいことを、予約が必要なものから、決めてゆきます。

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ひとり旅の課題は、いかに堂々と食事をするか…そして…
 「きらの里」での夕食は、海鮮料理と溶岩焼の2つのコースから選べます。それぞれひとり客用にカウンターがあり、テーブル席の家族やカップルから離れて食事がいただけます。カウンターと言っても、やはりひとりはひとり。食事をいかに堂々と楽しげにできるかが、ひとり旅のポイントだと私は思います。というのは、ひとり食事はどうしても寂しい感じがするもの。そして周囲から注目されやすいのです。そこで少し気合を入れて装うことが必要に。同じ浴衣でもきちんと着て、髪もすっきりと整えます。ひとり旅は素敵でなくてはけない…というのが私の意見。スタッフとにこやかに話したり、できれば隣の人と気軽に話すのもおすすめします。(カップルだと嫌がれるので、女性のグループとか、家族に話しかけます)。今回もひとり旅の女性に2人出会いました。20代後半のOLさんで、2人とも初のひとり旅だそう。ひとり旅ベテランの私は、話しかけてみました。「一度ひとり旅というのをやってみたかったんです。自由なのがいいと思って…」という彼女たち。ひとり旅は、全部自由に自分のペースで行動できるという反面、ある程度の緊張感も伴うことを忘れずに。特に男性にはご注意を。男性側からやたら話しかける人には要注意。男性と話をするなら、自分がこの人なら安全そうと思える人にこちらから話すことです。いくら話しかけられても気が進まないなら、絶対に話しに乗らないこと。つまり選ぶのは、あくまでも女性である私たちなのです。私自身、ひとり旅でいろいろな方と知り合いました。十年来、年賀状のやり取りをしている方やメール友達もいますが、一期一会という出会いの方が断然多いもの。今という時間をいかに楽しく過ごすか…それを学ぶのもひとり旅だと思います。また、散策などで、ひとりで人どおりの少ない道には、絶対に行かないこと。お化けより怖いのは人間ですから…。つまり、ひとり旅は、あらかじめある程度の情報を仕入れておくことです。事前に準備できない場合は、宿の人にその土地で見るべきもの、食べるべきものを聞きます。自由度100%のひとり旅は、実は、グループ旅よりもしっかりとした枠組みが必要なのです。それを踏まえて、ぜひ楽しいひとり旅を体験してほしいものです。
夕食は、海鮮料理か溶岩焼きから選択。 夕食 夜鳴きそばのラーメン
  夕食は、海鮮料理か溶岩焼きから選択。
  また、メニューの選択の幅があるのもこの宿の特徴のひとつです。
  夜10時以降にサービスされる夜鳴きそばのラーメン。
さっぱりとした味は、宿泊客に大人気。

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きらの里
静岡県伊東市八幡野1326の5
電話:0557-55-2400
お一人様宿泊プラン2食付2万6000円〜。
ほかに、グループ向けの宿泊プランなど多数。
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【小原誉子 プロフィール】
東京出身。お茶の水女子大学卒業。株式会社サンリオ販売促進部、オーストラリア放送協会ラジオオーストラリア放送記者、テレビマンユニオンプロデューサーなどを経て、株式会社シーホーク ジャパンを設立。旅をコンセプトに、雑誌などの企画、編集、ライター、エッセイストなどで活躍。心地よい宿、ホテルなどを目指しアドバイスも。さらに外国旅行者のための日本ガイドなどを企画中。温泉をベースにした日本独自のリゾートのあり方を探る。
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