ちゃんと知っておきたい、SEXのこと。

8月23日から公開された映画『sex and the city』が好調な滑り出しのようだ。一大ムーブメントを起こしたドラマの映画化なので、ご存知の方も多いと思いますが……。
新聞でセックスコラムを書く主人公のキャリー、常に快楽を追求するPR会社社長のサマンサ、超現実主義の弁護士ミランダとロマンチストな画商のシャーロット。簡単に説明してしまうと、この4人のセックス観や恋愛観を通して、「女性としてどう生きるか?」を、コミカルかつ痛快に描き出したドラマである。
6〜7年前にこのドラマを始めて知った当時、友人たちとの会食の際には必ずと言っていいほど、このドラマの話題があがっていた。で、最終的にドラマに触発されて「なんだかんだ言って、男性こそ見て、勉強して欲しいわよねー」なんて皆一様に声を揃え笑い合っていたのが、今でも記憶に鮮明に残る。
そこで、以前日本でも書籍化されてベストセラーを博した後に絶版になってしまっていたが、出版社をかえてこのほど発売された1冊の本『サティスファクション』を紹介しようと思う。
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『サティスファクション』
キム・キャトラル / マーク・レヴィンソン 著
フリッツ・ドルリー イラスト
清水由貴子 訳
1,050円(税込)
エクスナレッジ 刊 |
著者は、冒頭で挙げた『sex and the city』の登場人物で、性に貪欲な快楽主義者サマンサ・ジョーンズを演じる女優キム・キャトラルと彼女の夫でジャズミュージシャンのマーク・レヴィンソン。直訳して「満足」と題された本書は、セックスについて書かれた本である。セックスについての基本やテクニックについて微に入り際に入り、イラスト付きで具体的かつオープンに紹介されている。
パラパラと、文字を追わずにただ本をめくっただけでは、その美しくも具体的なイラストにあてられてクラクラしてしまうことだろう。
が、しかし不思議と卑猥さや淫靡さを感じさせない。嘘くさいほどのスポーツライクなセックスについて書かれたいやらしいほどの妙な明るさも感じさせない真面目な本なのである。
「オープンなコミュニケーション、信頼、愛、互いを喜ばせることへの興味、といったシンプルなことがセックスライフを豊かにし、カップルをより深い方向へ導く……。」とセックスを紹介しているものの、つまるところ本来、本書がいちばん伝えたいテーマは「おもいやり」である。
少々古くさい考えかも知れないが、個人的な意見として私はセックスについて公の場で語ったり、飲みの席でおおっぴらに話す女性を好ましく感じない。もちろん、自分も含めて。それに、私のコラムを楽しみに待つ両親のことも考えると、「秘め事は秘め事として」が好ましいと思うのだ。だから最初、本書を手にした時に多少なりとも違和感があった。しかしながら、読み進めて行くにつれ、くりかえし紹介されるキム・キャトラルのパートナーに対する愛情溢れる思いやりの気持ちに触れ、セックスについて過度にセンシティブな反応をする方がおかしいのかも知れないと思うようになってきた。
かといって、妙に振り切ったようにあけすけになる必要は全くないのだが、とかくセックスについて真面目になりすぎて、考えたり、話し合ったりということをつい怠りがちになってしまうが、この1冊は間違えなく日常の私の意識に一石を投じた本であるといえよう。
「読書旅行」というより「読書散歩」をする気分で、読んでみて欲しい作品である。
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