第3回 ぞくぞくと誕生。札幌の最新客室を覗いてみよう。
「冬の北海道」――。いい響きですよね。特に、私たちそれいゆのような都会人には、冬こそ北海道というイメージがあるのではないでしょうか。
しんしんと空から舞い落ちる真っ白な雪、凛と張った空気、だからこそ幸せを感じる温かな室内、美味なる冬の味覚、スキーやスノーボートなど盛んなウインタースポーツ、広大な大地、2月には毎年賑わう雪祭りもありますね。
東京も十分寒いのに、さらに寒い北海道が魅力的に映るのは、都会にはないさまざまな要素が掛け合わされているからかもしれません。
旅行に、出張に、北海道へ行く予定がある方もいらっしゃるでしょう。とくれば、欠かせないのはホテル。今回の「Hotel Handbook」は、北海道の中でも先だって取材に出向いた「札幌」で注目されている最新客室を紹介します。
では早速。一つ目は、「札幌グランドホテル」です。いわずと知れた老舗ホテルで、北海道で初めての洋式ホテルとして誕生しました。開業は70余年前の1934年。思えば私たちの祖父の時代ですから、相当な歴史です。このグランドホテルが2006年末に一大リニューアルし、反響を呼んでいます。
ここで少し脱線しますが、私はホテルには「男ホテル」と「女ホテル」の2種類があると感じています。男ホテルは格式や歴史を重んじ、男性の法人客が高い割合を占めるイメージ。女ホテルは由緒よりもセンスやサービス面のほうを打ち出し、女性の個人利用がしやすいイメージです。外資系ホテルには最初からどちらもスタンバイOKな「両性ホテル」も見られますが、日本国内で生まれたホテルは独断で言えばほぼ男ホテルです(あるいは、でした)。
それもそのはず。たとえば、宿泊レディースプランは今ではすっかり浸透していますが、初めて登場したのはわずか10数年前。女性が仕事あるいは個人的にホテルに泊まるケースはとても少なかったのです(レディープランについては次回、詳しく書きますね!)。
言うまでもなく、男ホテルと女ホテルのどちらがエライということではありません。それぞれ強みを活かすのがベストの在り方です。しかし、やや短絡的な説明になりますが、時代とともに女性客や個人客が増加したホテル業界は、さまざまな趣向を凝らしながら男ホテルから女ホテルあるいは両性ホテルへと変貌を図っているのが現状です。
さて、ここで本題に戻りましょう。
札幌グランドホテルも例に漏れず、数年前の取材では「男ホテル」の印象を受けましたが、今回のリニューアル後はこれまでの安心感はそのままに、洗練度と開放感の高い素敵な両性ホテルへと進んでいるようでした。
なにしろ大御所ホテルですから改装も半端じゃありません。客室のみならず、ロビーもレストランもスタイリッシュに変身。それは働くスタッフの心理にも反映され、リニューアル直後の慌しさの中でもひたむきにサービスしている光景は気持ちのいいものでした。(詳細と写真は下記の「おまけcolumn」で。ほかホテルも同様)
二つ目は、「札幌パークホテル」です。札幌グランドホテルの姉妹ホテルであり、この姉妹で「札幌2大ホテル」と言われます。パークホテルの最大の特徴は、21ヘクタールもの広さを誇る中島公園と隣接した立地。市内にいながらリゾート感覚が味わえるのです。今回はここに泊まりましたが、客室の窓からは雪で白く染まった中島公園が一望に。季節を目で楽しむ贅沢なひとときを得ました。
パークホテルも大掛かりなリニューアルが終わったところ。「LOHAS」をテーマにしただけあってレストランメニューにオーガニック素材が多用されていたり、内装も全体的に優しい雰囲気でした。ここは実際、女性客が多かったですね。
三つ目は、「センチュリーロイヤルホテル」です。札幌駅と地下でつながっている好アクセスで、何といっても特別フロアがユニーク。「BLANC」(ブラン)というネーミングの通り、白を基調とした12室が展開されているのですが、驚くのは客室と客室の間に「廊下」を設け、部屋ごとを隔離させていること。広い土地を有する旅館ならいざ知らず、限られたスペースのホテルフロアでこれを実践するのはさぞ勇気がいったことでしょう。シンプルさと斬新さが堪能できる部屋です。
今回は札幌のホテル改装を取り上げましたが、ここ数年、日本国中で既存ホテルのリニューアルが続いています。先に挙げた顧客動向の変化をはじめ、外資系ホテルの進出への対抗など理由はさまざまですが、「がんばれ!」と、いつもそう思うのです。変化に挑むのは会社も人も大変なこと。「ところで自分は変化できているかな?」と自問自答しながらホテルにエールを送っています。
下記の「おまけcolumn」にはここで取り上げた3ホテルを掲載しましたので、続けてご覧くださいね。 |