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| 1月14日パルマにもオリンピックの聖火が やってくる。 |
トリノオリンピックが近づいている。日本の友人知人からも、盛り上がっている?と聞かれることが多くなってきた。正直あまり感じない。日本だったら放映権のある局がこぞって特集を組み、事前に盛り上げるのだろうけれど、なんだかいつもどおり。1月下旬、トリノから比較的近いブラという町にいたので、オリンピック見に行きたい?と何人かに聞いてみたけれど、その期間は旅行客や関係者でごった返すからトリノには近づきたくない、という意見多数。オリンピックはTVで十分とか。ブラにやってきたのは年明けから始まった個人研修のため。これが学校の最後のプログラム。私はスローフード協会の食育部門に籍を置かせてもらい、ブラ本部や各地の協会支部が行っている食育プログラムのオーガナイズやカリキュラムなどを見せてもらっている。
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| ヴェネチアでのワインのコース。真面目に メモをとる男性。 |
スローフード協会は、ワインやチーズを中心に土地との関連が深い食材(気候風土による違いが顕著なもの)を再評価、再発見しようとたくさんのワークショップを企画してきた。そんな経験と知識の集大成が、マスターオブフードという大人向けの食を知るコースとして2001年から始まった。現在は全23コースまでになっている。スローガンは“味覚をもっと知る”ワインやチーズから、きのことトリュフ、スパイス・ハーブと酢、調理テクニックなんていうものもある。ブラに着いた翌々日、フリウリでホテル学校の生徒向けのコースの打ち合わせがあり、その前日ベネチアでワインのレベル1、レッスン2(ワインはレベル3まで。各レベル6レッスン)が開催されたので、こちらに参加できた。会場は老舗のトラットリア。9時の開始に向け、徐々に人が集まる。参加者28名。男性20名、女性8名と男性が多い。
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| ブラ名物。ピエモンテ牛の生肉ソーセージ、 生肉のたたき、ラード。。 |
食育部門の責任者ヴァレリアに寄るとコースの種類によって男女比率は違い、ワインは男性が多いとか。年齢は30代から50代か。平日の夜なのに、スーツ姿で仕事から駆けつけた風の人は見当たらない。友人、カップル、夫婦、一組愛人?(年齢差ありすぎ?)に一人参加の人がぽつぽつ。60代と思われるおじさまも。以上推定。こちらの人達は年齢より老けて見える人が多いので迂闊に言えない。本日のテーマは色。色から濃縮度、質、熟成度、味わいの情報を読み取るというもの。いい大人達が真剣にグラスを睨み、思い思いに表現する。なんだか素直でかわいい。色から味や質を想像するのは難しい。でも、大事なのは正解がわかることよりも、与えられた情報からあれこれ想像力を働かせることなのではないかな、と思う。私がこちらのアプローチに興味を持ったのも、知識を詰め込むのでなく、自分の器官を使って想像力を働かせるのが面白いと感じたから。一旦面白いと思えば後は勝手に調べるし、興味を持った情報は頭のどこかにひっかかっているからなのか、不思議と近づいてくるような経験をすることが多い。
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| 幼稚園で。熟成期間の違うパルミジャーノレジャーノの色を見せるマルコ。 |
さて、子供。パルマの協会の責任者マルコについて、幼稚園五歳児のチーズのラボへ。マルコの本業は食のジャーナリスト。スローフード協会ではパルマ支部としての企画をたてたり、マスターオブフードではワインの講師を務める。そして、子供達にも食の授業を不定期に行っている。彼は子供向けにパルミジャーノレジャーノの絵本を出版しており、その本をテキストにしている。「幼稚園児に質のよい本物の味を教えるのはすごく重要なんだ。なんでかわかる?味覚が純粋で穢されていないから。この時期が一番大切。」5歳児の興味は最初、チーズの話よりもアジア人の私に集中。「どっからきたの?中国?日本?」「何食べてるの?」「チーズはあるの?」じーっとひたすら見ているだけの子供も。
チーズだ、チーズ、チーズの話を聞きなさい!13ヶ月と28ヶ月の熟成期間の違うパルミジャーノレジャーノを用意してきたマルコ。「どっちが若いか当ててごらん?」「色が明るいほうが若くて、くすんでる方が年とってる。」「なんでそう思うの?」「だって普通そうだもん。」「じゃ、あなた達の皮膚は明るいけど、先生達の皮膚は違うんだ。」と突っ込む幼稚園の先生。「うん。」グサリッ。でも当たっている。「パルミジャーノって、普通何ヶ月くらい熟成させるものなの?」先生からも質問が飛ぶ。「最低12ヶ月。それ以下のものはパルミジャーノレジャーノとは名乗れないんですよ。」「あら。知らなかった。」見て、触って、匂いを嗅ぐ。
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| 匂いを分析する5歳児。すばらしい嗅ぎっぷり。 |
味わっています。考えながら。 |
「匂いを嗅ぐ時は親指と人指し指でチーズを挟んでね。」匂いを嗅ぐ五歳児ひよこ組。大人顔負けの嗅ぎぶりだ。ほれぼれしてしまう。味わった後「どっちが好き?」という質問に、若い方をあげる子供達が圧倒的に多かった。普段なら熟成期間の長い方が芳香で後味も長くて、やっぱり36ヶ月ストラベッキア(超熟成)だわねと嘯く私も、この日ばかりは若くて瑞瑞しいちょっと甘みも感ずる13ヶ月の方がおいしく感じてしまった。いやはや本当に。
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