女性の社会貢献・魅力的な自分づくりを応援する それいゆ
トップページ それいゆについて それいゆ入会方法について それいゆセミナー それいゆインタビュー それいゆコラム メールマガジン それいゆ書籍紹介 リンク集 お問い合わせ
navigation_kage
それいゆコラム
米村美樹子氏 天天向上勇往直前! 上を向いて歩こう〜龍の国の女性たち
トップページ 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回
第8回 おしゃれと健康のはざまで・・・
冬の街角でスカートを履く女性はほとんど見かけない。

 はっきり申し上げて、今回ちょっとダサいお話を。多分、上海を除く、寒い地域では一般的な中国女性の“現状”だと思っていただきたい。
 中国大陸の冬は日本の比ではないくらいに厳しい。例えば北京。気温こそ北海道に近いが、10月中旬から一挙に冬の大気に入れ替わって乾燥するため、冷え込むたびに皮膚の表面から骨の髄まで凍みるような感覚がある。長江以北には暖気(ヌアンチー)という暖房設備がほとんどの住居に完備されてはいるものの、相当に着込まなければ外出はままならない。そこでの必須アイテムは、膝丈のダウンコートに、手袋、ロングブーツ、そして“モモヒキ”なのである。

防寒機能をうたう下着のテレビショッピングには、誇張した表現が目に付く。

デパートの下着売り場は、冬物下着が独占。

 外国人にとってモモヒキに手を出すのはちょっと勇気のいることだが、中国人にとってモモヒキのない暮らしは考えられないらしい。伝統的に「女性は下半身を冷やしてはならない」という考え方があって、ようやくオフィス街でスカート姿の女性が珍しくなくなったものの、もともとスカートを履いている女性はほとんどいなかったし、ついこの前までスカートそのものがまったくと言っていいほど手に入らなかった国のこと。今年の時点でも、秋を感じる季節になると、女性のボトムはあっという間にロング丈のズボンにとって替わられる。この状況は4月の半ばまで続く。その間、仕事のためにスカートなど履いていたら、「寒くないか?」と中国人から不思議そうな顔で問いかけられるのが日常。むしろストッキングの脚が覗いていることのほうがあり得ない話である。少なくない日本のファッション雑誌が中国進出を果たしているが、モデルは冬の一時期を除いてほぼパンプススタイルなので、ここへ周囲の中国人女性が達するには相当の努力と覚悟と時間が必要なのでは?とおせっかいにも申し上げたくなってしまう。流行のハーフパンツをブーツに合わせている女の子がいるにはいるが、聞いてみたらそれは露出してもいい肌色のモモヒキを履いていて、防寒とおしゃれをなんとか兼ね合わせようと涙ぐましい努力をしているのである。

世界的女優も広告ではモモヒキ姿に。

 そんな価値観の中国人社会、冬に入るとモモヒキやいわゆるババシャツ商戦は一挙に加熱する。普段は一流ブランドのドレスを身につけテレビに登場する美貌の人気女優が、広告で全身ババシャツ、モモヒキ姿でポーズをとっているのは珍しくないし、デパートの売り場に特設コーナーが設けられて、赤や紫、ショッキングピンクのような目を刺すような色彩の冬物下着を着たマネキンが置かれて、さながら日本の感謝セールのようである。
 さて、この“熱い”下着商戦、買い手が冷水を浴びせられるような消費相談が、専門の相談窓口によく寄せられるようになっているらしい。誇張された機能、例えば、抗菌加工で数日着続けてもにおわないとか、繊維自体から熱が発せられて暖かいとかいう機能をうたって、一般の下着の数倍の価格で販売しているというもの。中国国内ではこうした過剰なうたい文句に対処するための消費者啓蒙番組が星の数ほどあって、販売員の営業トークを隠し撮りした映像を専門家が見て、「そんな技術は今のところ開発されているとは思えない」などという解説を加えるのである。いい加減なものが多いといわれる中国製品だが、実は一旦購入してその通りでなかったときの中国の消費者の憤りの激しさは日本人も真っ青で、モモヒキぐらいでと笑っていられない切実なお話のようである。

 健康第一、格好二の次。そもそも寒すぎて、格好を考える余裕もないのが中国大陸の冬である。私自身、健康を維持するために下着にこだわるのは間違っていないと思う。中国のファッション雑誌が日本の雑誌社のソフトの真似事から脱却して独自のものを完成させるとしたら、モモヒキ関連からかもしれない。例えばスカートと合わせられるビジネス使用のモモヒキ、フォーマルな場面で活躍するモモヒキ、などなど。果たしてそれが外国人から見て、イケテるかどうかは別なのだろうけれど。

米村美樹子さんのコラムの感想やご意見などは、メールの表題に「米村美樹子さんへ」と書いてinfo@e-soleil.biz に送ってください。

copyright