石川:会社のTOPとして、ご自身の健康維持のために、何か努力されていることはありますか?
岩田:毎朝晩の犬の散歩は欠かさないですね。相手が生き物なので、雨の日も雪の日も行かなければならない。たぶん一人で散歩だったら続かなかったと思うので、ありがたいと思っています。その他、毎週日曜日の朝に野球をやっていて、7年ほど続いています。汗を流した後、当社のバスジェルを使って良い香りの泡風呂に入るのがmy favorite timeです。でも何よりも精神的なストレスを溜めないということが健康には一番ですね。
石川:上手に気持ちを切り替えて、楽しく仕事をすることが大切ですね。
岩田:正直な気持ちをお話しすると、THE BODY SHOPの社長であることに対して、実はすごいプレッシャーを感じているんです。自分はアニータではありませんからね。でも、今はまだ60点でも、THE BODY SHOPにふさわしい社長になろう、100点に一歩でも二歩でも近づこうという気持ちは持っています。アニータに向って、見習って、歩いていこうという気持ちがあれば、今はいいのかなと自分をなぐさめています。そういった意味では、私自身も会社に成長させてもらっていると思います。
石川:本当に、会社というのは人間を成長させてくれる場なのですね。
岩田:小説って、主人公がいて、物語の最初と最後で変わっている、つまり成長している。会社もそれと同じだと思うんです。会社という場の中で、主人公であるひとりひとりの社員が成長し、変化したときに、経営者としての醍醐味を感じます。
石川:今後、経営者としてアニータさんに近づくために、またご自身の成長のために、具体的な課題としてどんなことを意識していらっしゃいますか?
岩田:THE BODY SHOPの理念や商品をもっと世の中にアピールしていきたいですね。たとえば、バリューズのひとつである「SUPPORT COMMUNITY TRADE(サポートコミュニティトレード)」。コミュニティトレードとは、「援助ではなく取引を!」がコンセプトのザ・ボディショップ独自のフェアトレードプログラムです。私たちの製品の多くは、コミュニティトレードによって調達した原料を使用しています。つまりこうした商品を購入するだけで、世界のどこかで行われている学校建築や井戸作りに貢献できるのです。購入した商品を使えば自分も癒されるし、自然な形で社会貢献もできるという仕組みなのですが、あまり知られていないのが現状です。また、会社全体の「情報発信力」や「接客力」の向上が、当面の課題だと考えています。
とはいえ、会社を変える魔法の薬はありません。何かひとつのことをやって、どうこうなるものではなく、100、200、あるいは1000の色々な変革をやって、少しずつ変わっていくものだと思います。
創業者アニータが残した、素晴らしい理念を守り続けながら、かつTHE BODY SHOPというブランドを進化させていく。草の根的な活動と華やかな化粧品の世界を如何に融合させるか、その課題にチャレンジし続けたいと思います。
岩田松雄氏プロフィール
大阪府出身。
1982年 大阪大学経済学部卒業後、日産自動車株式会社入社。1992年、カリフォルニア大学ロサンジェルス校大学院経営学修士課程卒業。その後数社を経て、2005年、株式会社イオンフォレスト 代表取締役社長就任。 |